名づけて「とりあえず、ロード・ムービー」、他に言いようがない。東京から北海道に行って、そこで車に乗って、色んな人たちに会うから。主人公たちが、時間的ロード(負荷)を背負ってるから。
だけど、今や「ロード・ムービー」ってのは、気の利かないセールス・コピーになってしまったようだ。
これまでCMで見るたびに嫌なヤツだと思い続けていた浅野忠信が、結構イイ奴に思えてきたところが最大の収穫か。
世をあげての小泉人気の今年、元祖アイドル小泉は、多少、年食ってもやっぱり「今日」に生きるから「今日子」なのでした。
何ともだらけたストーリーながら、少しばかりハッピーに終わるエンディングは、あれはあれで良かったかな、と思う。
ホント、酔っぱらってるときの浅野は面白いんだが、勤務中の非人間ぽさが描かれていなかったのが、惜しまれる。
Then and Now :相米慎二監督の遺作になってしまった。もっと生きたかっただろう。あれで終わったら、相当くやしいと思う。でも人生はそういうものだ。
熊本日日新聞「私にも言わせて」不採用。筆名:嘆きの仮面ライター。