そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

『子どものための哲学対話』~?/?/2001?・k168

「へ理屈を言うな」「言い訳をするな」。これらは、子どもが言葉で親のいい加減さを突いてきたときに、親が発する自己防御の常套句である。

 子どもは、そんな親の言い逃れを真剣勝負で打ち負かそうとするんだが、いかんせん貧弱な語彙(ボキャブラリー)しか持たないので、親の恩着せがましい態度にやり込められることが多い。できることなら、お互い、手を出すことなく、とことん理詰めで主張を戦わせたい。

 この本は、そんな戦術を説いたものではない。猫のペネトレと「ぼく」の禅問答のような哲学対話だ。しかし、使える。表現としては矛盾しているが「理屈ぬき」に、子どもに「ぼく」をやらせ、親のあなたが「ペネトレ」を演じて、この本を音読してみることをお薦めします。
 言葉の限界を超えて、想像力の翼を広げる子どもを発見するのは実にうれしい。

   『子どものための哲学対話』
      永井均著 講談社刊 1000円

Then and Now : 隈本日日新聞「私の3つ星」不採用。良く書けていると自分では思っていたんだが、掲載されるとは限らない。しかし、何度も書くように、これでめげてはいけないのだ。
 ところで、哲学対話を実際、わが家でやってみたのだが、息子(二男)はちょこっとしかつきあってくれなかった。親の理想と、現実はかくも隔たるものだ。機嫌を見て、もう一度トライすべきだったかな。