そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

映画『パール・ハーバー』~7/15/2001・k187

 この映画を作ろうと思った人は、やはり真珠湾が奇襲される場面のスペクタクルを撮りたかったんだろう。ただそれだけ。
 三角関係のラブ・ストーリーは、気のいい兄ちゃん、ベン・アフレックがほとんど悩んでるように見えないところが救い。大澄賢也似であるが、雰囲気は杉本哲太。ヒロインの選考基準はただひたすら無名であることか。

 しかし、題材は戦争である。『アルマゲドン』に引き続き、今回も神風特攻隊はアメリカ人の方であった。それに共感する国民が多数であるとは思えないけど、それが西部劇的わかりやすさというものかもしれない。

 日本人をそれほど悪者扱いせず、わりと紳士的に、武士道精神を持った人間として描いていたところなど、マーケットとしての日本への配慮かもしれない。
 情報担当のダン・エイクロイドの熱演を見てると、米国の情報分析の甘さが敗因だとしているように思えた。

Then and Now : さまざまなことが、この年の9月11日以前と以後で変わってしまった。しかし、この7月にも事態は着々と進んでいたのだろうから、何も降って湧いた事件ではなかったのだ。スピルバーグの『1941』では、ジョン・ベルーシ日系人パイロット役で出ていたと思うが、エイクロイドも出ていたっけ。なんとなく楽屋落ちっぽいですね。
 6月だったか、『激しい季節』というイタリア映画を見ましたが、60年作品なので、同じ作り物でも、おそらく実体験した人が描くだけに、真に迫った恐怖が感じられました。戦争を語り継ぐことのむずかしさでもあると思います。
 熊本日日新聞「私にも言わせて」不採用。
 ところで、『4TEEN』の作者、石田衣良氏が「週刊現代」の映画評の中で、「9・11テロで、現実が映画を超えたと言う人がいるが、そうではなくて、あれは映画の想像力を借りたに過ぎない」というようなことを書いていた。Sure.