そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

『バリアフリーが街を変える』~5/29/2001・k192

失われた10年」と言われることもある90年代。その呼び方が、自らは何も行動しなかった(もちろん頭も使わなかった)人たちの弁解に過ぎないことが、バリアフリーデザイン研究会の活動の集大成である、この本を読むとよくわかります。

 10年、着実に歩み、そのひとつの成果として超低床電車の早期導入にも影響を与えることが出来たのは、基本的に正しいこと、大切なことは何なのかを抑えるという「研究」の姿勢が常にあったからでしょう。

 今や、バリアフリーという言葉は、特別な説明がなくても通じるような世の中になりましたが、一律にこうすれば良いという便利なマニュアルはないようです。この本はボランティア活動についての考え方や、方向性の与え方の手引になることでしょう。

 また、情報は発信する人のもとへ、よく集まると言われますが、これもまた真実であることが、実例として書かれています。

      『バリアフリーが街を変える』
        バリアフリーデザイン研究会編
           学芸出版社 1800円

Then and Now : 平成13年6月3日付熊本日日新聞「私の3つ星」掲載。私もその会員である、通称「バリ研」の本について、これだけ持ち上げて書くというのは、アンフェアじゃないかとも思ったが、バリ研に印税収入をもたらして、活動の一助になればと願ったのでした。大体、熊日が本体の書評で取り上げてくれなかったから、私の出番だと思ったわけです。