そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

ソリューション・フォー・リゾート~7/11/2005・k294

 9年前に東京から故郷にUターン、市役所に就職した主人公の啓一は、無難に仕事をこなすだけの日々を送っていたある日、第3セクターの超赤字テーマパークの立て直しを命ぜられる。

 その「駒谷アテネ村」は、地域おこしが、観光=リゾート=テーマパークと単純に結びつけられ、全国各地に建設された、あの時代の遺物のひとつである。

 自然に恵まれ、生活にも子育てにも素晴らしい環境なのだが、そんな田舎の暮らしに埋没していた啓一は、自分にまかせられた使命「テーマパーク再建」に突如目覚める。

 前例の呪縛と因習に敢然と立ち向かう彼の熱意に、一筋縄では行かない協力者が集まり、年に一度の大イベントは成功するのだが・・・

「お役所仕事」のひとことで片付けるなかれ。メリーゴーランドのように、同じ所を回っているだけのようでも、星のように輝く仕事もあるというお話です。

  『メリーゴーランド』
    荻原浩著 新潮社刊 1700円

Then and Now:熊本日日新聞「私の3つ星」不採用。地域おこし、町づくりをテーマにした小説が、いくつか続けて出版された。重松清いとしのヒナゴン』、篠田節子ロズウェルなんか知らない』などである。素材も新鮮だし、シチュエーション・コメディとして東宝の駅前シリーズみたいな可笑しさも期待できるというところか。
コンパクトにまとめたと思ったのだが、内容にインパクトがないせいか、没になった。残念。