そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

父と子の絆は?

平成9(1997)年3月8日付くまにち・すぱいす掲載。

先日、長男が「へそのお、へそのお」と騒いでいるので、何事かと思ったら、
小学校で「わたしが生まれたころ」とか何とかいう授業があるそうで、
私もその「母と子の絆」を目の当たりにした。
それに引きかえ「父と子の絆」はほとんど目に見えるものではなく、
息子たちが成長するにつれ、男親というものは
「とまどうペリカン」状態になること、しばしばではないかと思う。
これはまた、父と娘というのと少し違うのではないかと私は想像する。
こと息子に対しては自分が軟弱だっただけに、
強い意志と不屈の精神を望んでいる。
が、耳の奥に響く声や喋り方が
父とそっくりになってきたことに、ふと気づいてしまうのだ。

Then and Now : 当時、私は初代すぱいすレポーターの一人であった。
これは、父と子の特集号で原稿依頼を受けて書いたもの。かっこつけてるよな。
そして、今年19になる長男は、見事に軟弱になった。
父と子、私と長男に関しては、そういうもんである。
息子の声は、声変わりを経て、私に似てきた。
私の父は、少なくとも私のように優柔不断ではなかったと思う。