散りぎわが潔いといったって、散った後が汚ない。
それも一理。
みんなそろって、桜だ春だと騒ぐのも興醒めか。
楠の葉は、春に落ちる。
それをなんとかと呼ぶのだが。
私は、葉桜とか、この楠の若葉の健気で可愛らしいところが好きだ。
とは言うものの、
しかるべき場所の満開の桜は、やはり目を引く。
ただ、花というより、集合体=和としての美であろうか。
そういう意味でも、日本人の心性に合うのかも。
春は生来苦手なのだが、
それは、予定より一月早く、この世に生まれ落ちたせいではないかと、
ずっと思っている。