そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

この雨が世界の果て

「この雨が世界の果て」

空の高みから

地面めがけて

落ちてくる

雨は 誰にも 平等に降る

そして世界は 降る雨の中で

完結する

この雨が 世界の終わり

誰もが 同じように 雨音を聞き

誰もが 押し黙る

雨を見るより 明らかなことを

君はいくつ 知っている

空の高みで 機は熟し

蒸気は 雨粒に 成長する

再生の儀式

地上は何て低いんだろう

雨粒は口々にそう唱えながら

空の高みから

地面めがけて

太古 洞窟の入口から

不安気に 雨を 見ていた

祖先たちの 眼差しに重なる

今日の 君の 眼差し

この雨が 世界の果て

世界は この雨の中で

完結する

雨は 誰にも 平等に降る

落ちてくる

地面めがけて

空の高みから

以上、第30回県民文芸賞現代詩部門に入選した私の作品でした。

選者、藤子迅司良さんに、

「降る雨に寄せる詩のことば、その表現力に並でない感性を見た」と評していただいた。

ありがたいことです。

調子に乗って、現役詩人を名乗っちゃおうかな(笑)

The world concludes in this rain.