熊日の読者のひろばで、
戦争特集を組むというので、
「戦争を知らない子供たち」について書こうと思っていたら、
締め切りを過ぎてしまった。
「戦争を知らない子供たち」は、ヴェトナム戦争真っ最中に作られたために、
ヒットとは裏腹に、「戦争を知らない」はあり得ないと
批判の的になった。
私もどうも偽善に思えて、北山修の信奉者であったにもかかわらず、
「ちょっとねえ」と感じたものである。
ウィキペディアには、彼自身の意見の変化という項目がある。
戦争を知っている世代に対する開き直りだとは、
当時の私も感じていた。
直接加担していないにしろ、
世界のどこかでは戦争が行われているという事実。
それは、もちろんわかっていますよ。
それでもなお、いや、だからこそ、
私たちは「戦争を知らない」と胸を張って歌えるんだ、
と、そういうことを北山氏は語っていたと思う。
杉田二郎のメロディと歌声のインパクトが
いろんな矛盾をはじき飛ばしていたのは間違いない。
反語的だが、歌の持つ力を
図らずも、誰もが認識したという意味で、
プロテストソングの傑作と言えるのかもしれない。
フォーク・クルセダーズのレパートリーに
寺山修司作詞の「戦争は知らない」があるが、
その本歌取りだったのだと思う。
An elaborate adaptation from a famous lyrics
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