2,3日前に泉ヶ丘市民センター図書館で、
重松清の『セカンド・ライン』という、
小説ではない本を借りた。
エッセイとか、新聞雑誌に書いたコラムなどを
まとめたものである。
立ち読みしたとき、これは引用したいと思い、
借りたのだったが、改めて読んでみると、
どの記事にそういう思いを抱いたのだったか、
まったく思い出せない。
私と重松との出会いは、『見張り塔からずっと』である。
呼び捨てにするのは、私の方が少し年上だからであり、
そのことで、お前は何様のつもりという感興を持たれても構いません。
私は重松の綴る物語に心酔していた時期があった。
どれを読んでも、泣けてなけて仕方がなかった。
まあ、そのうち飽きてくることになるのだが、
面識もなく、育ちも違うのに、
物の見方、考え方が実によく似ている。
彼の書くものを読んでいるうちに、そうなったのかもしれないし、
人間というものは、
もともとパターン化されるものなのかもしれん。
そうそう、面識はないが、
重松が、私の書いた文章をもとに、
週刊ポストに短編小説を書いてくれたことがある。
そういう読者投稿コーナーがあっただけだが。
選んでもらって、こう言うのもナンだが、
その小説の出来は、それほどではなかった。
従来の重松節の焼き直し感がぬぐえなかったのだ。
のちに単行本になったとき、私の分は収録されなかった。
私がせっかく著作権を放棄したとはいえ、
あれを入れなかったのは賢明な選択であろう。
最近はどういうのを書いているんだろう。
読んでみたいが、他に読まなくちゃいけないものが多くて。