『貧乏人の経済学』
A・V・バナジーとE・デュフロ/山形浩生訳
みすず書房刊
これも西合志図書館で。
多分、蔦屋書店三年坂店で見つけても、
いや見かけることすら難しいと思う。
図書館と書店の違いは、
マルクスと言ってもカールとグルーチョぐらいの違いがある。
とは、ツイッターでの梶尾真治さんのつぶやきだが、
「身近にこういう図書館があってよかった!」
思いを強くするのはこういうときだ。
何せ、新着図書というワゴンの棚に
私を離さないでと、カズオ・イシグロの小説みたいに、
この本は私がその前に立つのを待っていた。
アマゾンでは、なか見!検索もできるので
そちらの序文を参照してもらえば、
この本が優れた経済学の本であるために欠くことのできない、
正確な地点から、もちろんフライングなしに
スタートしていることが分かります。
どこを読んでも、
決してアジアやアフリカの遠い国の話には終わらない
深甚なデータ分析と示唆に富んでいます。
第10章 政策と政治など、
固有名詞を入れ替えれば
わが国の話としても通用するかもしれない(苦笑
大野更紗さん→リンク も、このように・・・
開発経済学の読むトレンドは、サックス『貧困の終焉』(2005)→イースタリー『傲慢な援助』(2007)・モヨ『援助じゃアフリカは発展しない』(2010)→パナジー&デュフロ『貧乏人の経済学』(2011)。しかし翻訳の早いこと、約1年で翻訳が出るのはジャンルとしてすごい…。
— 大野更紗 Sarasa Onoさん (@wsary) 6月 14, 2012