そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

知の地域づくり 2

天草市長 安田公寛(県市長会会長)さんは
開会のあいさつの中で、
2市8町の合併で4つの図書館が出来たこと。
またその4つの図書館のネットワークを作り、
学校図書館にも司書を置くことで
地域が「知的興奮の場」となるように務めたと述べた。

つまり首長がもともと図書館に理解ある人であれば、
話は早いということである。

慶應義塾大学法学部教授 片山善博さんは
 
そのもともと本好き、図書館好きであった。
また地域の読書環境には
本屋も欠かせないという考え。
そこは多少、書店組合に対するサービスもあるか。

老後は身近にちゃんとした図書館があるところに住みたいとも言ってた。

「知の地域づくり」は片山さんの造語。

県知事になった鳥取県は下請け経済。
それが悪いわけではないが甘んじてはいけないということで、
言うならば、知的財産に属するもの、
付加価値の高いものを作れる県にしようと考えた。

そのための人づくり、教育、知をつくることを目標に。
しかしまず第一の難関、教育委員会の中での図書館は
片隅に追いやられている状況だったので、
まず知事部局に図書室を作ることから始めた。
その後、教育委員の人選で図書館に理解ある人を選ぶ。

図書館の本来の役割(図書館のミッション)とは何か。
それが理解されていない。

物を考える人の集まるところには図書館が必要。
県で部下に指示を出しても自分で調べようとはせず、
上級官庁(霞が関)に聞くことに慣れてしまっている。

図書館の理想の姿は レファレンス。
そのためには優秀な司書を置く。
県庁内に図書室を置きたいと言うと、場所がない。
また県民が受ける印象は、暇な人がぶらぶらする場所と。
その図書室には本はなくてもかまわない。
それが必要なとき、膨大な資料へのつなぎをやってくれる人、
司書がいればいい。
情報へのアクセスポイントこそ司書の役目である。

まず、それがしっかりできる人を県立図書館から引き抜く。
しかし県の仕事自体がわからないので、
総務課付きにして
半年から9か月、重要な会議に出てもらった。
その後、職員たちもその図書室を使うようにあり、
その便利さにやっと気づくことになった。

議会図書室。
地方自治法100条で必置であるから、どの議会にもあるにはある。
この100条は調査権であり、100条委員会と並び定められている。
議会がいい仕事をするための知的情報拠点である。
司書がいなければいけない。
職員に頼らず、行政情報の裏を取るために。
議会の調査権を有効に活用するために。

司書とは知的な導きをする人。
司書がいなかったら、空間と本があるだけなんです、と。

まったくその通り。
しかし何とかこの状況を変えなければならない。
こんなこと、とっくにわかって行動に移していなければ
いけなかったのだ。