昨夜NHKスペシャルで、
産業用ロボット最前線のドキュメンタリーをやっていた。
東京電力の依頼を受けて、
本田技研のアシモ君が災害現場用に改良を加えられている、
その様子もあった。
福島原発の事故以後、
世界的にヒト型ロボットの研究が急激に進展しているという。
一方では、兵器としてのロボットの研究も進む。
それらは表裏一体をなす、科学技術って
戦争がなかったら、もっともっと進歩が遅かったことだろう。
裏番組で映画『トランスフォーマー』をやっていたのは
偶然だったのだろうか。
話は飛ぶが、危険な仕事や敵地での戦闘を
ロボットに肩代わりさせるようになるのは
それほど先の話ではないと思う。
人間相手に殺戮をやるロボットは、
すでに無人爆撃機のような形で実現している。
人間の良心の呵責を和らげるためにというより、
生身の人間の死を回避するために。
崩れかけた原発内部に送り込まれるロボットはどうだろう。
人工知能を備えてもロボット自身には
そう簡単に自我が芽生えるものではないだろうけれど、
作った技術者の方には限りない愛着というか、
ペットに感情移入するような、あるいは
それ以上の思い入れが生まれるのではないかと思う。
『ターミネーター』の世界はそう遠くない。
感情というか煩悩というか、
そういう部分で戸惑いや哀惜などない人には
ヒト型ロボットを作ってほしくない。
突きつめれば、マシンであっても、
いずれかの時点でそれは生命と呼べるようになる気がする。
鉄腕アトムは形を変えた火の鳥であり、
ブラックジャックだということだ。
ヒューマノイドがテーマというより、
手塚治虫はヒューマニズムを試していたのだろう。