そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

正しい姿勢

昨日の熊日1面に安倍晋三首相の年頭記者会見の記事。
いわく、憲法に関し「時代の変化を捉えて解釈の変更や
改正に向け国民的な議論をさらに深めていくべきだ」とか、
靖国神社参拝について「真意を直接、誠意を持って説明したい。
前提条件をつけずに首脳同士が胸襟を開いて話をするべきだ」とか。

いまさらながら、政治家の言葉の上っ面の正しさについて思う。
この場合の正しさとは、間違いの反対語ではない。
私は朝からときどき、NHK第一のラジオ体操をするが、
なぜか、体操を始める直前のポーズを、「正しい姿勢」と言う。
なぜ、それが正しいとなるのか。
「気をつけ」と似ているが、運動前に「気をつけ」はないもんな。
つまり、多くの場合、政治家の言葉というのは、
その意味云々よりも、ポーズを取ることを表明するものである。

憲法の解釈変更はさんざんこれまでにやられたが、
一国の首相が、それを堂々と発言するのはどうだか。
そのあとには、「改正」という言葉が続く。
あなたの頭の中には、「政治的な言葉」しかないのか。
その意味するところを、ちゃんと考えたことがあるのか。
靖国神社参拝についての誠意ある説明とは何か。
そんな高飛車な態度を、誰が胸襟開いて受け入れようか。
言外に、はなから話をする気がないことを表明している。

ついでなので、今月24日に召集予定の通常国会の意義について
「目指すのは経済の好循環、収入アップの実現だ。
通常国会は『好循環実現国会』だ」と説明、とある。
気の利いたセリフを吐いていると自分に酔う人がそこにいた。
政治家がもっとも気をつけるべき「正しい姿勢」である。