昨年11月30日の熊日「インタビュー百人百話」は、
弁護士で伊藤塾塾長の伊藤真さん。
〈憲法96条改正や集団的自衛権の憲法解釈変更をうかがう動きに続き、
新しい法律で憲法を形骸化させる『立法改憲』の動きが出てきた〉
〈学生時代は独立国家として日本は軍隊を持つべきだと考えていた。
しかし、外交官を目指して法学部に進み、
憲法を学んで考えが変わったという〉
自分は国のために死ねるって思っていました。
でも、人殺しは怖くてできないって気付きました。
訓練した軍人に頼めばいいと考えたのですが、
待てよ、これはひきょうじゃないかと。
『自分は小心者で、できません。だから代わりに殺人を』
ってお願いするのはどうなのか。
国は国民の名の下に人を殺してこいと命令するわけです。
これはまいったなあ、というのが正直な思いでした」
「そんな時に見つけたのが憲法9条です。
武力ではなく政治や外交力、
理念の力で相手に武器を取らせない国を目指す。
たとえ荒唐無稽で非常識だと言われても、軍隊を持たない」
自衛隊の存在があいまいなのは、
本気で人を殺せるかというところに係ってくるからだろう。
もちろん相手から殺される可能性もあるが。
そこのところをわきまえた上で、
集団的自衛権の行使を考えなければならない。
国民の生命と財産を守るためではなく、
同盟国との同盟関係のために、戦闘に入るのだ。
自衛隊の存在はあいまいなままにしておくことが、
現段階の人類においては正しいことのように思う。
誰だって戦争は望んでいないと考えるのなら、
即刻、武力を放棄すべきであろう。