元日の熊日に、
政治学者 中島岳志さんとノンフィクション作家の柳田邦男さんの
対談が載っていた。引用すると、
柳田 今の日本は科学技術の限界を直視しないまま、
技術で原発事故を乗り越えようとしている。
でも技術者や事業者、政府がどんなに安全だと保証しても、
人間がつくったものは必ず壊れる。これは歴史の教訓です。
中島 人間がつくったものは必ずほころぶというのは、
僕が考える保守思想の基本認識です。
人間は不完全な存在で、人間が営む社会も過去、
現在、未来を通じて不完全でしかあり得ないと考える。
完全な原発、万全の対策とは口にできないのが保守。
その意味で安倍晋三首相は保守ではない。
人間がつくったものに限らず、
自然界にあっても壊れないものはない。
そればかりを気にしていては渡世できないけれど、
壊れたときのことをまず考えていなければならない。
よく「安心・安全」と言うが、
それも言葉に逃げている感じがする。
これは何度も書いている。
安倍首相は、政治家の言葉として、
内心は信じていない安全を保証しようとしているのか。
それとも、本当に大丈夫だと信じているのか。
前者であれば、万が一を大きく想定すべきだし、
後者であれば、早く職を辞すべきだろう。