そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

トラ70619

 俳優の岸部一徳が、タイガース解散後、6人目のメンバーで弟の岸部四郎と二人で作ったアルバム。アナログ盤は変形ジャケットで、二人の等身大ポスターが貼付されていた。

サウンドクリエーターとして、当時人気の作詞家 山上路夫かまやつひろし両氏の名がある。良い曲で、いま誰かがカバーしても全然古びないだけではなく、そのセンスが光ることだろう。

70年安保を意識して作られた、時代を切り取ったような歌詞は、いまこそもう一度聞かれるべき作品かもしれない。「どうにかなるさ」が一番有名かもしれないが、ひりひりするようなラブソング、「愛の意識」「白い街」、フラワージェネレーションを体現するかのような「花咲く」、ビージーズ風の「サンシャイン・フォー・ユア・スマイル」も。沢田研二をはじめ、タイガースのメンバーが何かしら協力しているプロデュースも、往時を偲ばせる。
加藤和彦作曲の「羊大学校歌」1番から3番は、「アリスのレストラン」に影響を受けたものと思われるが、村上春樹の『羊をめぐる冒険』に連なると、私は勝手に思う。

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