4月9日の熊日に、日本テレビ系で放送されたドラマ
「明日、ママがいない」についての放送倫理・番組向上機構(BPO)
「放送と青少年に関する委員会」の汐見稔幸委員長のコメントがあった。
「当初厳しい批判を受ける問題点があったが、
次第に視聴者に受容される内容になっていった」というもの。
こうのとりのゆりかごを設置している熊本市の慈恵病院が、
いちばん最初にクレームをつけたのだったと思うが、
放送が始まったばかりでは、ドラマの展開は読めず、
日本テレビが回を追って見てくれれば分かってもらえると弁明したのは、
無理からぬことであった。
しかし汐見委員長は「非人格的なあだ名や
児童養護施設長の暴力的な発言には『ドラマの効果上
必要な設定と認めたわけではない』と苦言を呈した」とも書いてあった。
新聞記事としても3か月前、ドラマはその少し前に終わっている。
私もトータルの半分ぐらいは検証する意味でも視聴したが、
過ぎたるは及ばざるがごとしで、
「明日、ママがいない」というドラマがあったことすら、
もはや忘却の彼方である。
好意的、批判的それぞれに活発な意見があったことすら、
もうどうでもいい話になってしまっている。
それでいいのかと言いたいところではあるが、
やっぱり「それでいいのだ」と落とさざるを得ない。
いまはDVDやオンデマンドで、テレビドラマも手軽に見直すことができる。
だから、冷静な批評も後になってできないことはない。
それでも、放送中に受けた印象と、
制作側が当初どういう意図を持っていたかは、
重要なことである。
それがどうでもよくなる。
つまり移ろいやすい人の関心、はそれでいいのか、な。