NHKラジオ第一のニュースをよく聞く。
解説やエッセイなど、実に役に立つ。
安倍政権になって、NHKが偏向しているなどと言われるが、
それは一面での印象に過ぎないのではないだろうか。
もちろん、その一面が他に比べて広いかもしれないが、
ことラジオでは比較的リベラルというか、
政策的に多方面の考えがよく出ている。
NHKは、国民が大きなスポンサーなので、
それは当たり前のことである。
公平公正ということは、こっちもあっちも、
どちらの考えも、きちんと分かりやすく報道するということで、
秒単位で等分であるなどということはないのだが、
そう考える、デジタル脳の政治家もいるらしい。
馬鹿と言ってしまえば元も子もないので、
差し控えるが、思わず、その動物を用いた、
客観的(でもないか)罵倒の言葉を使いたくなる気持ちを
表向き抑えるのはむずかしい。
さて、そのラジオ第一で、お昼のニュースの後、
「昼のいこい」という番組がある。
その「男はつらいよ」みたいなアナクロなテーマが流れると、
幼いときに、田んぼのあぜ道から流れてきた、
ラジオの音を思い出す。
多分変っていないのではないか。
だから、その曲を聞くと、たいていスイッチを切るのだが、
何かをしていて、切り損ねていると、
番組に似つかわしくないモダンな音楽がかかることもある。
再び、さて、今日は成人の日ということで、
「若いって素晴らしい」と「若者たち」の2曲が流れた。
これは、番組のようにかなり古い歌である。
しかし、これらの曲が流れていたあの頃、
日本という国が、その歌のように全体で若々しかったのは事実だ。
信じられないほど、混とんとしながら、
実は明日が、明るいかどうか分からない、
暗い気分に落ち込みそうなときもあった日本人が、
そういう音楽に勇気づけられて、あるときは現実逃避しながらも
地道に精一杯やれることをやってきたのだ。
そういうあのころの歌謡曲と時代の気分について、
誰か論考を残していないものだろうか。