そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

そしてサウンドは残るⅢ

音楽ストリーミングサービスが出現したとき、
自分には無関係だと思っていた。

それはCDが出てきたとき、
ずっとアナログレコードで行こうと決意した自分や、
MDが出た後もずっとカセットのお世話になっていたことや、
MP3の世の中になったころ、
MDを使い始めたという私の過去の経歴からすると、
それほど不思議はないのだが、実はこのストリーミングサービスに関しては、
実は少しだけ世間様よりも早かったかもしれないと思っている。

おそらく、全世界的な業績の悪化のせいで整理されたのだと思うが、
ソニーのミュージックアンリミテッドを約1年ほど愛用した。
海外のプレイステーションがスポティファイと提携するというので、
日本でのサービス開始を待っていたが、現在に至るまで音沙汰なし。
これは、ミュージックアンリミテッドでも、
ソニー専属である山口百恵は聞けなかったという、
自己矛盾が大きな要因であると思う。
つまりソニーの音楽制作部門の頑迷さである。
この保守的な私に指摘されるのだから、相当なものだ。
そしてまずはハイレゾというのが、今のところの戦略のようである。

さて、全世界的なアップルミュージックのスタートを知り、
この秋にはアンドロイドでもサービスが始まるというのを心待ちにしていた
ある日、LINEミュージックのお試しを試してみたら、
収録楽曲は300万とまだまだ少なかったが、
結構渋いところをつかんでいて、有料でも3カ月ほど利用したころ、
アンドロイドのグーグルプレイミュージックのツイッターでの広告に
ついほだされて、視聴サービスから入ってしまったら、
これがさすがに3,500万曲というだけあって、
かなりマニアックなところまで衝いている。

もちろん3,500万曲もあっても、死ぬまで聞ききれないのは承知である。
しかし、アップルレコードのコレクションが含まれていることで、
これしかないと思ったこともあり、いまだけ月額780円につられて
有料サービス契約。
バドフィンガーは全部聞けるようになった。

で、アップルミュージックもいつのまにかアンドロイドのベータ版が出ていた。
こちらは3カ月お試しなので、騙されたつもりで登録。
びっくりポンやったのは、鈴木慶一さんのニューアルバムが聞ける。
こないだ出たばかりである。グーグルにはまだ来ていない。

そういう経験を重ねながら、
自分にとっての音楽とは何なのかを考える歳末である。
そこに、なんと!今夜0時から、ザ・ビートルズの公式曲がすべて、
アップル、グーグル、アマゾンのそれぞれのサービスで解禁になるという
まさにクリスマスプレゼントが天から降ってくるというニュース。

ちなみに、グーグルプレイでは、
スマートフォンの端末にCDから取り込んだ楽曲が、
ストリーミングと併存するようになっている。
これは実はすごいことだと思うが、
もちろんアップルでもそうなっているのだろう。

音楽をいかに頒布、所有するかという、
蝋管レコードからの歴史は、さらに利用権のみという
そういう無形のものが幅を利かせる時代となった。
が、ミュージックアンリミテッドがとっととサービスを停止したように、
止められたら、後には何も残らないという一抹の不安もある。

ただ、破たんした保険会社のように、そのサービスは、
資本力のある別の会社が顧客を引き受ける形で
おそらく継続することにはなるのだろうと思う。