8月16日付毎日新聞の電子版によると、
「米ワシントン・ポスト紙は15日、
オバマ政権が導入の是非を検討している
核兵器の先制不使用政策について、
安倍晋三首相がハリス米太平洋軍司令官に
『北朝鮮に対する抑止力が弱体化する』として、
反対の意向を伝えたと報じた」とのこと。
政権内でもオバマ大統領に、それはどうかという意見ばかり。
他の同盟国でも懸念しているというが、
安倍首相が、対北朝鮮を持ち出したことについて、
北朝鮮とは外交努力を重ねようと考えていないのかと感じた。
というのも、昨日「月刊日本」で宮崎学氏の
「朝鮮民主主義人民共和国試論」という文章を読んだからである。
主題は、北朝鮮を理解するには、朝鮮半島と中国大陸の
関係を考える必要があるということなのだが、
終りの方にこういう部分がある。
「北朝鮮は自らも含めて誰も戦争を望んでいないと見透かしている。
その上で国際社会からの非難や制裁を百も承知で
国策を進めている。そして国際社会が制裁を強めれば
強めるほど北朝鮮は孤立するが、孤立すればするほど
固く結束する」
緻密な計算ずくと思われる北朝鮮の行動に対して、
米国の核抑止力頼みであることを改めて認めてしまっては、
日本が外交上手に立ち回ることを難しくする。
それ以前に日本国民に対して、
核兵器のない世界の実現を、どう説明するのか。