そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

「50代以上の、主に高齢者をエルダーと呼びます」

 「50代以上の、主に高齢者をエルダーと呼びます」と帯に書かれた本書は、年長の人に対する尊敬の意味を込めて、エルダーという呼び名を採用したときに、老人を描いた小説・映画・テレビドラマ・コミックなどを紹介するという所期の目的をもう半分以上達成していたのかもしれません。
 私は、少年時代に父母や祖父母あるいは親戚や近所のおじさん、おばさん(今の自分より年下だったのかもしれませんが)の昔話を聞き、また世間話を耳にして育つことが出来て幸運だったと思います。ですから、私が経験したように、年かさの方々が人生の後輩に、たどたどしくても、同じ話の繰り返しでも構わないから、思い出話を生の声で語ってくれたらいいのになと常々思っています。
 この本を読むことで、執筆者の視点も交えながら、そこに取上げられた作品にもう一度触れてみてください。私の思いが伝わることでしょう。
  「描かれたエルダー」日本経済新聞社・編 
       集英社刊 1400円        (1/20/2003)
 
 コメント:熊本日日新聞「私の三ッ星」不採用