そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

わたしたちの家ではなく~映画『みんなのいえ』6/13/2001・k172

「わたしたちの家」ではなく、「みんなのいえ」となってしまうところが、家づくりの楽しいところであり、大変な労力が要るところなのかもしれない。

 職人は職人なりに、素人は素人なりに住まいに対する思い入れや夢みたいなものがあって、それがぶつかりあって、誰もが疲れてしまう、どうにかしてくれと、どうにでもなれの狭間で、田中直樹八木亜希子の夫婦役がすごく良い。

 家づくり入門的な骨組は残しつつも、私は往年のパロディー映画の巨匠、メル・ブルックスを思い出した。『ヤング・フランケンシュタイン』などを作っているが、わりと隙だらけで、ギャグなんかも泥臭いんだけど、生真面目さがあるのだった。

 豪華ゲストのみならず、端役みたいな人にも「あなたにそこにいてほしい」という監督の眼差しが生きていて、みんなで作った「みんなのえいが」という充実感が感じられた。

Then and Now : 熊本日日新聞「私にも言わせて」不採用。見る前はかなり思い入れの強かった映画。だから、見終わった後、さて何て言ったらいいのかと考え込んでしまった。もちろん悪くはないんですが...作品と関係なく、書き出しについてはいつもうまいなと、われながら思う。