そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

「雨が空から降れば」

「雨が空から降れば」という曲を知ったのは、雑誌「guts」の記事だったと思う。当時(中3?)、シンガーソングライターを目指して、曲作りに励んでいた私は、当然日本語をメロディに乗せるという課題に挑戦していて、そのテキストとなったものである。
 小室等さんは、教会で賛美歌を歌っていて、日本語訳のアクセントと曲とが合っていないことに気づき、そこを解決しないと日本語の歌としてはおかしいと、ものすごく真面目に考えたらしい。
 で、その実践として、この別役実さんの詩による「雨が空から降れば」が生まれた。という記憶が私にある。

「雨が空から降れば オモイデは地面にしみこむ」

 いまでも、雨の日にはこの歌が、どこからともなく湧いてきて、ふと口ずさむ。確かにちょっと五線譜をオタマジャクシが泳ぐのが見えそうな、ぎこちないメロディであるが、そのギクシャク感が、60年代という時代を感じさせると同時に、不変(不偏)のものでもあるな、と。

「気分は歌謡曲」で、近田春夫が、日本で譜面を感じさせない作曲家として、よしだたくろうを挙げていた。と思う。もうひとりは思い出せない。
 そして、自殺するのが若者だけではなくなって、逆に今も新しい井上陽水の「傘がない」。行かなくちゃ、って思うとき「行かな~くちゃ」って、あのメロディが出てくるんですよね。って、誰かが昔書いていたなあ。「もう~すぐ~だね~」とか、自然すぎて笑っちゃいます。
 先日FMで、どこかのばかオンナが、傘がなくったって行けー、とか言ってたが、まあ発表当時の状況を知らない世代に、文句言っても始まらないし、そんな陽水自身が結構、攻撃の対象だったような時代だったし。そして、UAのカバー「傘がない」には、彼女らしさはあっても、歌としての迫力はまったくありません。

「雨がシトシト降れば オモイデもシトシトにじむ」
 
 雨の日の追想は切りがありませんので、この辺で...