そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

ブラジルの水彩画

未来世紀ブラジル』という映画は有名なんだが、まだ見たことがない。自慢できない。『未来惑星ザルドス』はDVDを友人が貸してくれたので、改めて見てみよう。ま、どうでもいい話。

 NHK-FMのラテン番組で、この「ブラジルの水彩画」がかかっていたので思い出したこと。キリン・ラガーのCMで、ちょこっと話題のサディスティック・ミカ・バンド。アルバム『黒船』を制作する前に、『駅前旅館』という昭和歌謡のカヴァー・アルバムを計画していたらしい。 
 当時は著作権よりも、レコード会社の壁の方が厚かったのかもしれない。それとも、飽きっぽかったのかも。ライヴでは、後々まで演奏された「銀座カンカン娘」はその片鱗だし、「タイムマシンにおねがい」もそういうノスタルジーを現在に結びつける文脈で作られていたのかもしれないと推測する。結局この企画、陽の目を見ることはなかった。

「ブラジルの水彩画」は、ただ「ブラジル」と呼ばれていたので、つい最近まで正しいタイトルを知らなかった。ミカ・バンドでの演奏はついに聞くことが出来なかったが、本当に幸運にも大阪フェスティバル・ホールで、サディスティックスの演奏として聞くことが出来た。
 それも、もう30年前。ミカ・バンド解散後、ソロとなった加藤和彦が、西岡たかし、杉田二郎と3人でのコンサートをやったことがあった。京都に住んでいた友人のSと行った。二人とも極貧だったけど、行った甲斐はあったなんてものじゃない。何となく予感はしたものの、実際ステージ上に、ミカ抜きとはいえ、他のメンバーの雄姿を目の当たりにしたときは感動に震えたものだ。
 その少し前にアメリカで、リッチー・ファミリーというディスコ・オーケストラがカヴァーして、確か全米1位かなんかになっていたので、加藤氏がもう少し続けていればよかったとか、どこかでコメントしていたなあ。
 そのコンサートでは、彼のソロの名曲「九月はほうき星が流れる時」が、ディスコ・ヴァージョンで披露されるという、すごいプレゼントも用意されていて、今思い出してもファンとしては信じられない夜だった。他の曲は覚えていない。
 加藤さんは当時「オールナイト・ニッポン」のDJをやっていたので、そのコンサートの感動を葉書にしたためて送りましたよ、私は。で、ちゃーんと読まれました。これもうれしゅうございました。
 他人にとってはどうでもよくても、私という人間の一生の宝物なのでございます。