そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

教育バウチャー制、いばらの道

 安倍晋三には子どもがいないというのを最近知った。確か『美しい国へ』に書いてあった。だから、父や祖父に対する無条件の尊崇の念が強い彼は「永遠の子」であると誰かが書いていた。
 子どもがいない人には教育について語る資格がないと差別的な物言いをしてはいけない。しかし首相候補者が政策として教育問題を語るときには、現場の状況をしっかり把握した上で、ありったけの分析・想像力を動員して考え抜いた末にしていただきたいものだ。
 他にも懸案があるから、一々突き詰めている時間がないのだろうが、そういう意味では、郵政だけしかなかった小泉首相は正直者と言えるか。
「学校選択へ利用券制」については、数年前そういう話が出てきたとき、のんきに「それっていいかも」なんて思ってしまった私だが、現在問題となっている熊本の県立高校再編を見ても、公立学校間の競争が単純に公教育のレベル向上にはつながらないように思える。
 それを小中学校のレベルでもやるということは、見た目はきれいだが、早い話エリートを育て、エリートが程度の低い国民を引っ張って行く社会を理想としているのだろう。再チャレンジに熱心な安倍候補は、一度失敗することが前提で、やり直すことが美しいと思っているらしい。そのときに人は身の程というものを知るだろう、と安倍本人も気づいていないかもしれないが、そういうことを言いたいのじゃないのか。