そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

滋養豊富か?『風味絶佳』

 山田詠美の『風味絶佳』読みました。職業人小説と呼んでよろしいでしょうか。設定がそれだから、理屈ではない男と女の滋味深い恋愛小説が6篇。山田詠美は、男の子の心を描くのがうまいなあ。だから、男と女なのよ。おとこが先。寄り添うハートとハートが海藻みたいにたゆたうムードが、たまりません。

 何でこんなに恋愛小説が好きなのだろうと自分でも思いますね。自分に出来そうもないから、疑似体験てやつ。そうも言えるけど、このわくわくする気持ち、小説を読む醍醐味?
「本ばかり読んでると、碌なもんにならんぞ」と映画『ハード・デイズ・ナイト』で、リンゴ・スターは叔父さんにそう言われてた。確かに、山田詠美の文章に酔っていたところで、実生活では何の役にも立ちません。さあ、明日から家族のために、日本のために仕事頑張るぞというものでもありません。

「夕餉」から、「憐れみに肉体が加わると恋になる」
「アトリエ」から、「だらしない幸せは、憂鬱を流してしまう作用があると思うのです」
 これだけ取り出しては誤解の元ですが、まあ読んでみなっせ。

山田 詠美 / 文藝春秋(2005/05/15)
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ゆっくりと濾過していくような感じ
詠美姉さん、ありがとう
読めない作品・・・