そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

おーーーい、トーキョー・ジョーーーーッ

 先週「NHKスペシャル」で「東京カワイイ☆ウォーズ」というのを見た。クラシカルないわゆるモードの世界とは対極にあるリアル・クローズ(新・普段着とでも訳すかな)の世界。

「東京ガールズ・コレクション」というファッション・ショーというか、展示即売会みたいなイベントのドキュメント。新旧対比しながら、流行の根底にあるものを描こうと試みる、さすがNHK、パリまで出かけたりして、お金の使い方がうまい(荒い?)。

 女の子たちは、自分を着飾る洋服に何万円もお金を使う。メーカーはブランドとはいえ、比較的買いやすい価格に設定するために、韓国や東南アジアの国々へ縫製を発注する。納期は2週間とか、ものすごくショートでシビアだ。それを可能にする海外の下請工場の技術力の方に感心してしまう。「これが新しい」と次々に繰り出される少量多品種、回転がすべての力である。

 それを消費する彼女たちには、男の子を振り向かせるためのアイテムなどという感覚はなくなっているようだ。自分が可愛く見えればいい。自己満足と女の子同士の連帯。自己完結。晩婚・少子化が進むはずだ。将来的には、単性生殖か滅亡かというシナリオしかないかもしれん。

 実際私がインタビューしたわけではないので、彼女らの本当の気持はわからない。女の子にとっては成長の儀式みたいに通過していくものかもしれないし、そうやって一見無駄な消費が、お金を回していることも事実だ。ちょっと空しいけど。

 リアル・クローズって言うけど、全っ然リアルじゃない、とおじさんは思うのだ。リアルとは名ばかりのイリュージョンだからこそ、少女たちはその夢に酔うことが出来るのか。現実逃避ではなく、それこそが彼女たちの現実だとしたら、かなり怖い。