そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

ディスカバーJAPAN>2/11/2007・k326

この本のページのあちこちから、
懐かしい歌謡曲フォークソング、Jポップのヒット曲のメロディーが聞こえてくる。
テレビの歌番組やCMが思い浮かぶ。
日本人の嗜好の変遷、
景気の動向に密着してきた流行歌売り出し戦略の提携先には、
大まかに分けて、企業広告系と放送局系の二つの流れがあり、
レコード業界は映画やドラマ、あるいは広告とのタイアップに支配されてきた。
大衆は踊らされていたのかと感じる人もいるかもしれない。
だがこのタイアップをしたたかに利用して
独自の音楽を作り上げ確固たる地位を築いた、
松任谷由実山下達郎のような実力あるアーティストを、
結果的には生み出したシステムでもあった。
「ディスカバー・ジャパン」キャンペーンの歌い文句が「美しい日本と私」であり、
それが川端康成氏の言葉に由来するというようなトリビアを始め、
団塊の世代の皆さんが半生を振り返るよすがとなる読み物になるだろう。

             「タイアップの歌謡史」
             速水健朗著 洋泉社 819円

Then and Now:
平成19年3月25日熊本日日新聞「私の3つ星」掲載。
やっと載りました。揺るぎない自信はあったのだけど、
改めて読むと、ちょっと硬いなあ、小泉今日子の書評、
なんだかんだ言えないッス。
最近、安倍首相の話題が激減しているので、
ちょっとインパクトなくなった「ディスカバー・ジャパン」のエピソード。
ユーミンや山下よりも、大滝詠一鈴木慶一を引き合いに出したい気もしたけど、
この際世間体を意識しました。
マニアックな本ではないけど、十分楽しめます。
洋泉社らしい誤植や、推敲不足は新書だから目をつぶろう。

因みに、レコード・コレクターズ2007年4月号は、大滝詠一さんの
「NIAGARA CM SPECIAL」の特集。
これについては、ブログ「鳥肌音楽」さんが書いています。


速水 健朗 / 洋泉社(2007/01)
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タイトルに『通説』とつけるべき
ありそうでなかったCMソングの歴史の本