そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

うそつきできづききずつき

今日は加藤和彦さんの誕生日だ。
25日はエルトン・ジョンさんの誕生日だ。
さん付けにするとよそよそしいアイドル。

昔、「だぶだぼ」という雑誌があって、
ある号で加藤和彦インタビューがあった。
その中で「信条は」という問いに
加藤氏は「嘘をつかない」と答えていた。
私の記憶ではそうだ。
中学生ぐらいだったと思うが、
それ以来、私の生きる指針となった「嘘をつかない」。

まったくつかないかと言えば、
「方便だ。許せ!」と内心で自分を言いくるめることもある。
仕方がない。
それも生きる術である。こともある。
でも、基本的にやはり嘘はつきたくない。

同じ頃、作家の片岡義男氏がエッセイで、
幼いころの英語体験について書いていた。
「ワンダーランド」か「宝島」の初期。
幼少の頃なついていた米兵に何かのはずみで
「うそつき」と言ったらしい。
そしたら、子ども相手だというのに、
手加減せずぶんなぐられた。
そこから、アメリカ人に対する「うそつき」という言葉は、
許されない侮辱になるということを
身を以って学んだのだと。
英語、あるいは多国語を学ぶというときには、
それくらいの身体性が伴わなくてはいけない。
そういう話だったか。

現在の感覚では、言葉がどうであろうと、
それは幼児への単純暴力の典型であり、
その米兵も幼児期に悲惨な経験をしている、
ということになるのかもしれないが、
言葉が文化を背負っているものである以上、
宗教的な背景も含め、
なかなか相互理解が難しいものであるのは事実。
ということはわかる。

さて、エイプリル・フールを前にして、
そういう話題でした。
加藤さんのことについては、また別の機会に。