そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

ハンセン病啓発事業講演会

6月3日金曜日 
合志市総合センター“ヴィーブル”文化会館

講師  井上 佳子さん
    (RKK熊本放送テレビ制作部ディレクター)

演題「内なる差別性を問う
    ~ドキュメンタリー取材の現場から~」

定員約600名の文化会館に、約400名ほどであったろうか。
合志市職員の、それも幹部の出席率高く、
なかなか良い心がけだと感心したが、
職員とて一人ひとりは市民なのだから、
職員が参加したと見るのは偏見かもしれない。
市の人権啓発事業ではあるが、
合志市外からの参加者も歓迎すべきだと思う。

荒木市長の挨拶に
「まずは『知る』ということ、
そしてハンセン病者の立場を自分のこととして考える
『気づく』ということにつなげてほしい」
というような言葉があった。

井上さんは、番組制作の取材を通して、
自らが所属するマスコミ、メディアの報道姿勢そのものを
問い直すことになったようだ。

「内なる差別性」は誰にでもあるのが普通だと私は思う。
「なぜ、差別感情を持つか」ということを突きつめれば、
アイデンティティーを確立するときに、
比較する他者が必要な場合も考えられるのではないか。
自分の幸福度を測る物差しが、
他人の不幸であるのは珍しいことではない。
それをどう克服するのか、
どういう状態を以て克服したと言えるのか。
まさに問い続けるしかない。

井上さんは、自戒を込めて、
送り手が伝えたいことを伝えるのがメディアだと言う。
だから疑ってかかるべきだと。
でも、なんらかの思い、主張を伝えることを
生業(ナリワイ)としているのだから、
信念を持って、伝えたいように編集するという
自負の心もあるのだろう。