そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

迷惑をかけて生きている

11月11日の熊日
「学びのプリズム」で日本大学文理学部教授
広田照幸さんは、こう書いている。

親や教師は子どもたちに向かって
つい「周りに迷惑かけないように」と言ってしまうが、
「『周囲に迷惑をかけない』という価値基準は、
実は、他社の存在を必要としない『強者の論理』
なのではないだろうか」

新生児や病気にかかった人、
重度の障害のある人などは他者に依存せざるを得ない。
その依存とは周囲の誰かに迷惑をかけること。
だから、迷惑ではなくお互いさまだと考えたらどうか、と。
大げさに言えば、
「人類が生きていること自体が、
地球の環境にとってこの上ない迷惑かもしれない。

もっと普通の人の普通の生活での例として
「自家用車に乗って買い物に行く者が増えたから、
路線バスの便数が減らされたり運行が廃止になり、
車を持たない者が暮らしていけなくなる」
とも書かれている。
しかし、この場合自家用車の売り上げや利用が
大きな雇用を生み出している側面もある。
とはいうものの車を持っていても、高齢のために
それを使うことが困難になることもある。

広田教授の結びは簡単である。
・お互いの迷惑を許す寛容さ
・自分が周囲にかける迷惑をできるだけ減らす努力

つまり、人に迷惑をかけるということが
本当はどういうことなのか、
それについて考え、それが単純ではないことに
気づくことがまずは肝要なのである。

迷惑をかけなければ何をやってもいい。
という馬鹿な話はないと思う。