今朝、NHKで「カーネーション」の総集編の再放送をやっていた。
何気なく見ていて、このドラマは父と娘の相克の話だったのだ、
ということに気づいたというか、思い出した。
人の心を惹きつけるドラマは、一筋縄ではいかない。
ドラマ自体が、演じる俳優たちとともに成長することはもちろん、
ストーリーそのものがどんどん発展していく、
そこには幸運の女神が舞い降りているのだと思う。
視聴率がどうのとかそういうことではなく、
ただただ、素晴らしいドラマへと発展するのだ。
私が素晴らしいドラマだと評するとき、
それはまず第一義的に、面白いということである。
笑えるとか、手に汗握るとか、泣けるとか
そのすべての要素を含むのだな。
武井咲の「アスコーマーチ」がそれであった。
私は青春ドラマが元々好きなのだが、
このたび再放送を見て、ますますその評価は高まった。
これこそ見事に幸運なTVドラマである。
回を追うごとにキャスト、スタッフの意気が高まる。
それが手に取るようにわかる。
いまの高校生がどのように感じるのかわからない。
でも、マンガだ、ドラマだと決めつけずに
いまの高校生活がそうなる可能性を秘めていることに
気づいてほしいと思う。
人間失くしてしまって、取り戻せなくなって初めて
それに気づくことが多い。
それがわかるのが、遅すぎるんだよ、たいていの場合・・・
日本の経済が低迷しっぱなしで、
国内産業のものづくりの伝統を復活させようとか
お題目を唱える(仏教的な意味ではなく、間違った慣用句として)
ばかりで、その本質を見直そうとしない輩が多い中、
「アスコーマーチ」は軽々と、そのものづくりの何たるかを
軽いけど実は重たいドラマへと昇華している。
そのことだけでも素晴らしいのに、
淡い恋心のせつなさ、やるせなさもあれば、
若さと馬鹿さ空回りの憎ったらしさもある。
教訓が教訓として生きるかどうかはわからないが(笑)
その有効性は認めざるを得ない。
まさに「青春のくそったれ」なのである。