本、それも小説というもの、
いつ読んだかによって受ける感動に差が出る。
ような気がするのだけれど、
こればかりは、読み返すと言ったって、
まったく新たな状況を作り出して試すなど出来ない相談だ。
無論、人生そのものがその連続なので、
「感動した」、そのことだけでいいのだが。
「感動した」は、
小泉純一郎元首相が広めてしまったので、
どうしてもそれを使うと
何か真似してるような気がしてしょうがない。
ていうか、そう思われることは承知である。
しかし、この小説のヒロインである岬は、
将来総理大臣を目指している女子高校生なので、
ピッタリの感想かもしれない。
憲法改正のための国民投票の有権者は、
満18歳以上だったのねえ、と
改めて思い起こした。
それと青春の1ページである文化祭というイベントを
巧みに結びつけ・・・バンドもあれば部活もある。
また、ネットとリアルの描き分けも実に巧み。
登場人物それぞれの人生をタペストリーのように織り込ませ、
大団円に持っていくという趣向は、
最近少々食傷気味なのに比べて、
ここでは、もっと図太い芯が貫通していて力強い。
もちろん、ヤキモキさせる男女交際も(笑)あるし。
高校生を始め、若者にはこの小説で以て
憲法9条について考えてほしい。
というか、いい歳をした私も恥ずかしながら、
勉強させていただきました。
ヒロイン役は武井咲だろうと書いてる人もいるが、
それはちょっと安易な気が・・・
個人的には、忽那汐里かなと。
それはさておき、映像化不能としておくべきかもしれない。
そういう意味では、
『レヴォリューションNo.3』に匹敵する小説。