そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

所管事務調査報告書(私のレポート)

子育て支援について】 佐賀県佐賀市役所

佐賀市は人口約23万人。高齢化率は23%、
0~19歳人口は微減状態にある。
子育て関係部署の特徴は、
教育委員会にこども教育部が置かれ、
学校教育課などと並んで「こども課」があることである。
こども課の中に子育て支援係、保育幼稚園係、
子育てコーディネート係がある。
 

子育てコーディネート係は、
児童虐待防止が当初の目的であり、
時期的に大阪で児童2名が亡くなった事件と重なるが、
ひとり親家庭でのネグレクトの原因に、
さまざまな支援情報が肝心の親に届いていなかった
という反省があった。
そのことが「育楽プロジェクト」に発展していくことになる。

子育てに関しては、県や市の担当課だけではなく
保育園、幼稚園を始めNPO団体、大学、メディア、企業まで
それぞれに何らかの取り組みをしているが、
それらがどこかバラバラだったことから、
これからは一緒に考えて行こうと
子育て団体のつながりを目指すものである。

その中の一つ「かたらん場」では、
子育て中の一般の親たちの声はなかなか聞けていないのではないか、
という思いから、みんな同じ立場から大きいテーマで語ろうというもの。
平成23年度は各地で計10回行われ、参加者は192人だった。

ワークショップ形式での意見交換やヨガ教室、
子どもの前髪カットなど、テーマは多彩だ。
新聞や子育て情報誌などのメディアや
大学の研究室とのコラボレーションもあり、
あらゆる手法を使い、
子育て中の親に向けて情報という手を差し伸べている様子がうかがえた。

市役所の子育て支援事業はどこでも充実してきているが、
それがあることを知らない親もまだまだ存在する可能性は大いにある。
不幸にして事件になって初めて、
どうして相談してくれなかったのかという言い訳をしてはならない
という決意がじわーっと伝わってくる。

行政の仕事は「頑張っています」で評価されるものではなく、
実際にどれだけ現場の声を聞くことができるか、
それに対して限られた資源の中で
その声に応えていくことができるかにかかっている。

議員の仕事もそれらのネットワークを
さらにしっかりとしたものにするために、
またその輪を柔軟に広げるところにあるのではないだろうか。




【地域福祉活動について】 福岡県春日市役所

春日市では、ひとり暮らし高齢者等に対する見守りにおいて、
民生委員・児童委員を春日市福祉相談員(非常勤特別職)として、
高齢者名簿を提供(春日市個人情報保護審議会の承認済)し、
訪問活動に役立てている。

「高齢者・要援護者等台帳」の登録を推進すると同時に、
自治会の地域福祉活動等に対して、
自己情報の開示に同意を得ている。
もともと各自治会に地域福祉推進委員というボランティアがいたことが、
協力体制の確立に大きな力となっているようだ。
助成金を出すことにより
自治会での取り組みを支援しているのも特色であろう。
各自治会では、地域支え合いマップとカードを作っていて
その原本は自治会長が管理することになっている。

ただ、全部で35ある自治会のうち、
地域支援ネットワークに参加しているのはまだ13自治会である。
高齢化率も地域によって開きもあるが、
自治会長の責任が重くなることで
協力を得にくい地区もあるのではないだろうか。

後藤委員による質問に対しての回答にあったが、
春日市では嘱託員(地区世話人)報酬を廃止して
自治会に対する交付金に変えているそうである。
そのことで各自治会の活動の自主性が増している部分もあると思われる。

基本的には合志市の安心生活創造事業と同様であり、
社会福祉協議会が中心となっての活動である。
フリーマーケットやバザーを開催。
自主財源の確保に努めるとともに、
歳末助け合い募金を活用してこの事業に参加している自治会に
助成金を交付している(1地区あたり一律3万円)。

個人情報の共有については
その範囲と管理者がきちんと決められているが、
あんしんカードは筒等には入れず、そのままである。
昔からのやり方なので誰も不自然に感じないらしい。

自然条件からそれほど大規模な災害は
起きにくいと思われるところから、
防災を道路管理と結び付けて
道路防災課としているところも注目に値する。

春日市の地域支え合いカード・マップ作りの全市域への普及と
更新作業を含めた永続的な取り組みは、
合志市においても同様に求められるものである。