そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

教育リプレイ

「小学英語 正式教科に」
5月28日の熊日夕刊の見出しである。
政府の教育再生実行会議が安倍首相に提出した
提言の中に含まれる。

ただ一つ、安倍首相を私が評価するとしたら、
このスピード感である。
世の中に「スピード感を持って」と言いながら、
もたもたしている人が多い中、
このスピード感だけは評価していいのではないか。
ただし、早ければいいわけではないのは
みなさん、よく分かっておられると思う。

おそらく首相にとって、
中身をしっかり吟味することよりも
「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」がいまの日本に必要だと
しっかり認識しているのだろう。
というか、実が伴う前に、あちこち手を出しているだけなので
内閣総理大臣だったら、誰であっても出来ないことではない。

教育再生実行会議の提言は、
小学校英語の強化教科化だけではない。
外国人留学生を増やすなどの大学改革もある。

「国の力を強める提言をまとめていただいた。
成長戦略は『大学力」が大きな柱だ」
という首相のコメントは、大いに笑える。

文部科学省がもともとそういう方向性を持っていて、
首相やその周辺をそそのかしているのか、
ちょっと考えれば、その矛盾に気づきそうなものだ。
日本の子どもたちが英語力を身につければ、
海外の大学にどんどん出て行って、
そのまま海外で活躍するようになる。

それはそれで悪いことではないが、
グローバルであるとは、日本という国にこだわらず、
ホールアース(地球規模)的に人類共通の福祉を目指すか、
あるいは私利私欲に走るかのどちらかであろう。
日本には海外から日本人以外の優秀な人材が
集まるようにするから、それでいいのだ。
ということらしい。

ま、少なくとも
わが国、日本がといつも言ってる人が、
英語教育が何よりも大事だと言ってしまえることに
私は驚愕する。
私みたいに、大学で英米文学を学んだおかげで、
かえって日本語を大切にしようと思うようになることを
目論んでいるのだとしたら、
すぐにそう言いなさい。