紅白歌合戦での泉谷しげるについて、
内田裕也が怒っていたと、PANTAが書いていた。敬称略。
泉谷は、私が高校生の頃、
フォークソングのコンサートの前座で熊本に来ていた。
いまとちっとも変らないその態度。
「黒いカバン」がコミックソングとして受けていたころ、
観客が手拍子するもんだから調子狂って、
手拍子やめろと叫んでいた。
先日の紅白でも、同じことを言ってて、私は苦笑い。
紅白で歌ったのは、「春夏秋冬」だった。
あれが一番売れた歌だし、毒気もほどほど。
初めて聞いたのは熊本市民会館だっただろうか。
いま思うと、全然自分と接点がないような歌詞なのに、
それって自分の人生とほとんど同じではないかと思った。
みんなそういう気持ちになったから、
誰もが知ってる曲になったのかもしれない。
最初に深夜放送で聞いて、すっかり引き込まれたのは、
「白雪姫の毒りんご」である。
いつも何かに怒っている。
それはポーズ的なところもあると思うが、
自分に正直になると、腹が立つことは多い。
でも、それって、自分を中心に考えるからかもしれない。
正しいこととか筋を通すということを
自分の経験や考えに基づいて判断するから腹が立つのか。
しかし、一般的、常識というのは
ある程度広い範囲で共有されているものではないか。
怒る泉谷が受け入れられているということは、
その怒りが何に向かっているのか、
そのことに私たちが無関心だということかもしれない。