そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

反対討論

本日で、平成26年第4回合志市議会定例会の全日程が終了した。
1件の請願と、1件の議案で反対討論に立った。
その原稿は次の通り。
終わってから、賛成だか反対だかよく分からなかったと言われた。
自分では、賛成討論の首根っこを押さえたつもりだったのだが、
独りよがりのところがあったということか。
この請願は、日本会議熊本合志支部から出されたもの。
本来の主義主張は置くとして、
偶然にも、この櫻田淳さんの論考に出合えたことは、
私にとっては天啓であった。
憲法改正自体は、議論の対象とされる運命にあるかもしれない。
だがしかし、早期実現は明らかに間違いである。
そうだ、これを付け加えなければいけなかったのだ。
冷静に準備したつもりで、やはり、議員としてはまだまだである。

◆請願第3号 憲法改正の早期実現を求める意見書提出についての請願の採択について、反対討論を行います。

現行憲法に関しましては、みなさんそれぞれの思い、考え方や主義主張、立場の違いなどがあるでしょう。仮に、憲法を改正するにしても、数々の法的な手続きを踏まなければなりませんが、具体的に現行憲法のどこが問題なのか、それを明らかにしつつ、国民的な議論を踏まえ、進めるべきものであります。

それにもかかわらず、現在、最高裁判決で違憲状態とみなされ、一票の格差是正を求められている衆議院参議院両議院に対して、憲法改正の早期実現を求めることには相当な無理があります。

12月17日付のインターネット版産経ニュースのコラム「正論」に、東洋学園大学教授・櫻田(さくらだ) 淳(じゅん)氏はこう書いています。

「民主主義体制とは、本質的に「待つこと」を厭(いと)う政治体制であるけれども、その「待つこと」の要を説くのも、政治家の役割なのである。加えて、この度の選挙の結果は、憲法改正への機運を高めるであろうし、安倍首相もまた、それを手掛けたいと願っているであろう。

しかし、安全保障に係る態勢を盤石にする観点から大事なのは、集団的自衛権を織り込んだ上で日米同盟の「深化」を進める法制整備を急ぐことであり、それを基軸にして、豪印(オーストラリア・インド)両国やASEAN東南アジア諸国連合)を加えた「アジア・太平洋版NATO北大西洋条約機構)」とも呼ぶべき枠組みの構築に踏み込むことである。

在日米軍基地に係る沖縄の過剰な負担もまた、こうした「アジア・太平洋版NATO」の枠組みを構築できてこそ、確実な軽減に道を開くことができる。この枠組みの下でならば、対中牽制(けんせい)をにらんだ「前線拠点」としての役割や負担は、沖縄だけではなく、フィリピンやベトナムのような国々も引き受けることになるであろう。沖縄が直面する課題もまた、こうした国際安全保障構想への視点が欠ければ、対応できないものなのではないか。

故に、憲法改正それ自体は、日本の安全保障環境を劇的に変える「政策対応」の根拠というよりは、戦後日本の「中興」が成ったことを寿(ことほ)ぐ意味合いで行われる一種の「儀式」の類いになりつつある。

そうであるとすれば、安倍首相は、憲法改正という「儀式」の挙行を後継内閣に譲るぐらいの心積もりで、現下の諸々の政策を断行することに専念するのがよろしかろう。戦後日本の「中興」が依然として道半ばであることを思えば、憲法改正という一大政治事業に精力を費やしている暇はないのではないか」
以上で引用を終わります。

平成26年12月18日現在、市民の代表として、市民に寄り添い、市民が幸せに暮らすことを願い、そのために活動することが合志市議会議員の務めであると考えるならば、いまこそ、立ち止まり考え直すべきときではないでしょうか。

以上、私の反対討論といたします。ご賛同のほど、よろしくお願いいたします。


◆議員提出議案第11号 「国会に憲法改正の早期実現を求める意見書」の提出について。これに反対の立場から討論を行います。
反対の理由は、請願採択に反対したものと同様でございます。みなさまのご賛同をお願いいたします。