そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

一粒万倍

昨年の11月15日の熊日に、
谷川俊太郎さんの作品めぐる映画として、
ドキュメンタリー『谷川さん、詩をひとつ作ってください。』
(杉本信昭監督)についての記事があった。

その中で谷川さんは
「どんなものにも存在しているだけで、そこに詩がある。
発見できるかどうかはこちら側の問題」と話す。
「真摯に生きていることのリアリティーに触れれば、
詩が見つかる感じがします」

全国農業新聞6月12日号の「一粒万倍」、新潟県十日町市
農業委員の佐藤可奈子さんの文章に、
「山から下りてくる、ひんやりとした風が耳の裏を通って、
ふと顔を上げる。カッコウが、空に判を押すように鳴いている。
気持ちのいい季節がやってきた」と書いている。

谷川さんの言葉を思い出した。
カッコウが、空に判を押すように鳴いている」
「本当に生活している人の中から出てきた言葉」
そのものである。