島根県教育長の岩本悠さんは、
島前高校の魅力化を通じた海士町まちづくりの仕掛け人の一人だが、
彼は、最初に「ドラゴン桜」ができないかと言われたそうだ。
しかし、それではここでやる意味がない。
進学だけがすべてではないということだ。
それは公立高校が地域を支えているということ。
全国で3,600校あると言われている公立校。
それぞれが地域のカラーを纏っていて、
その多彩な色に日本全体が染まっている、と。
島前高校の場合、絶対数が少ない地元の中学生だけではなく、
島留学として、全国から多彩な生徒が集まってくる。
これはなかなか真似ができないことだが、
それが広まって、均質化というか
引っ張り合いにならないかという問いに、
それぞれに自分たちがやるべきことを探し、
全体のレベルが上がってくるだろうし、
お互いに学ぶことも出てくるのではないかと
前向きな、ある意味希望的な答えがあった。
合志市には、いわゆる普通科の公立高校はない。
中学生は卒業すると、ほとんどが公私問わず
市外の高校に進学せざるを得ない。
公私市内に高校を作るべきだという意見もあるが、
定員割れで統廃合される高校がある中で、
新設について合理的な理由は見つけられない。
だから、中学までしかない市として、
支援学校や熊本高専、農業大学校の立地を
まちづくりに活かすことを考えるか、あるいは、
いつか子どもたちが戻ってきたくなるまちづくりをするか。