5月6日付全国農業新聞が届いた。
熊本地震関係の記事が多い。
コラム「深層」では、政府対応のことが書かれているが、
その中にこういう箇所がある。
「激甚災害の指定に手間取ったのは、災害査定という手続きが
のし掛かっていたためか。しかし23日、現地視察した安倍首相は
惨状を目の当たりにして動かされたのだろう。
翌日の地震非常災害対策本部会議でその週内での指定を、
あわせて通常国会会期中、5月末までの補正予算編成を指示した」
激甚災害の指定に査定が必要なことは承知している。
しかし、ここで書かれるように現地視察で
惨状を目の当たりにしたことで初めて事の重大さに気づいた、と
その通りだとしたら、TV等の報道を眺めながらも、
何一つ心を動かされなかったということではないか。
東京にいて、東日本大震災を経験した日本人の一人として、
いくら何でも、あまりに他人事すぎやしないか。
それも一国の総理大臣である。
この件について、本人は事務的なことしか述べていないので、
すべては憶測でしかないが、だからこそ、
熊本入りした安倍首相がそこで、こりゃ大変だと感じたなどと
そういう首相を庇うような書き方は、かえって、
それまでの無関心を際立たせると思う。
東日本大震災のときの民主党政権や、
阪神淡路大震災のときの自社さ連立政権の対応と
単純に比較することはできないとは思うものの、
やはり熊本地震は、大震災と呼ばれないだけあって、
国の対応の冷静さが特に感じられた。
熊本にいて被災したからそう思うのだろうか。