社会新報9月14日号の「主張」欄で、
7月26日に神奈川県相模原市の障害者施設で起きた
19人が殺害された事件について書かれている。
「中でも違和感が消えないのは安倍政権の反応(というか無反応)
ぶりだ。加藤1億総活躍相が『加害者が障害者の存在を否定するような
発言をしたことは許せない』と述べたのは8月29日になってからのこと。
安倍首相は事件2日後の関係閣僚会議言及したというが、
中身は一般論どまり。
米国家安全保障会議報道官が直後に
『凶悪犯罪が障害者施設で起きたという事実』に明確に
言及する声明を出し、各国首脳らからも反応が続いたことと比べると、
事実認識と評価を避けたかのような首相の反応ぶりは、
ある意味際立っている」
容疑者が2月に衆議院議長宛てに持参した手紙には、
首相の名前が2回も登場している。
筆者は、容疑者がほめられると思っていたと書く。
ここが、いちばん大事なのだが、
「『世界に8億人の障害者がいて、その人たちにお金が使われている。
それを他に充てるべき」という容疑者に名指しされた首相は、
その考え方は間違っていると、自ら語るべきではないのか」
ここで、安倍首相の、無表情とも言えない、
空っぽの表情が私の目には浮かぶ。
社民党の機関紙である「社会新報」なので、
政権に批判的なのは当然だとしても、
次の一文には頷かざるを得ない。
「『人権』の語り方に一定の政治性はぬぐえないとしても、
およそ人権という価値観にコミットする態度表明を
避けるという点で日本の保守政権は特徴的だ。
しかも、公人の差別発言に寛容なことも公然の秘密だ」
この事件こそ、テロではないのか。