そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

祖母の話③

幼い頃に繰り返し聞いているから覚えているものの、
誰の話とか、いつ頃とかが曖昧なまま、
当然もはや確認のしようがない。
そうは言っても、神話的世界ではその辺細かいことは
あまりこだわらなくてもいいような気がする。
父方の家は、大津町の岩坂という地区にあった。
熊本空港は益城町西原村との境界にある。大雑把に言って。
高遊原というのだが、その北端が日暮山という山である。
それほど高い山ではない。その中腹にお社があり、
村の若者はそこで一晩を明かすという通過儀礼があった。
という話だったと思う。
で、この日暮山には大蛇が住んでいるということだったので、
祖父上田唯雄は山に籠もるとき日本刀を持参、
刃を外に向けて座ったそうだ。
もし大蛇がとぐろを巻いて、自分を絞め殺そうとしたら、
その刃でぶつぶつに切れてしまうという作戦だ。
もちろん出なかったと思うが、そういう話を祖父が
11歳年下の祖母に話したときの様子を思うと、
なんか微笑ましくて。