そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

核兵器禁止条約の批准を求める

昨日定例会が閉会しました。請願第2号に対する私の討論全文です。

日本政府に核兵器禁止条約の参加・調印・批准を求める意見書提出の請願を採択することに賛成の立場で討論いたします。
2017年に国連で採択され、2021年に発効したこの条約は、核兵器の開発、生産、実験、製造、取得、保全、貯蔵、使用とその威嚇にいたるまで、核兵器にかかわる活動を禁止するものです。
つまり、現有あるいは将来的に核兵器を持つことを考えていない国であれば、この条約を批准することに国防上の矛盾はまったくありません。抑止力という概念がありますが、この抑止力は使って初めて有効になるものです。核兵器に関してはどこかの国が使えば、相手国あるいはその同盟国が使わざるを得なくなり、たとえれば地球温暖化の影響の百年分が1年で地球上に現れるようなことになることは容易に想像できます。
また、いまや戦争はサイバー空間で、いかに相手国のシステムをダウンさせるかという時代です。そしてまた身代金目的の集団がシステムを乗っ取ることも現実になっています。外交すら無意味になりかねないいま、少なくとも核兵器保有するリスク、核武装はいまや強みではなく、弱みであることを現在の核保有国に認識してもらうと同時に、保有国同士で核兵器の廃絶を話し合い実現してもらわなければなりません。
そのために持たない国ができること、いや持たない国にしかできないことが核兵器禁止条約への参加・批准であると考えます。
本来は国家間の紛争を絶対に武力により解決しないことが求められるものですが、まだそこまで人類は成熟していません。まずは「破滅的結末をもたらす非人道的な兵器」である核兵器を禁止することを求めることです。唯一の戦争被爆国であるわが国が、なぜ核保有国に遠慮しなければいけないのでしょうか。
赤十字国際委員会の見解によると、「核兵器禁止条約は、NPT(核兵器不拡散条約)を弱体化させるどころか、NPTの核軍縮・核不拡散の目的を補完および支援」し、「核兵器を明確かつ包括的に禁止することで、核兵器の拡散をとめることとなり」「また、核軍縮に向けた効果的な措置について、交渉を行う義務を課すNPT第6条の履行を後押しする確かな一歩となるもの」であるとしています。
以上の理由により、日本政府に核兵器禁止条約の参加・調印・批准を求める意見書提出の請願を採択し、意見書を提出するべきだと考えます。
みなさまのご賛同をぜひよろしくお願いし、賛成討論といたします。