そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

戦うことは「悪」ですか

葛城奈海(かつらぎなみ)著
『戦うことは「悪」ですか』扶桑社刊
西合志図書館で借りた。表紙には、「サムライが消えた武士道の国で、
いま私たちがなすべきこと」とか「和を守るための武こそ大和魂である」
「日本の心を未来に伝えるために」といった美辞麗句が並んでいる。
日本を守るためなら、実力行使しなければならない、
それが国家のあるべき姿であり、自衛隊員はそのために戦うのである
といったお花畑論だ。
国のために戦うという思想は内心の自由だが、
自衛隊ではなく、葛城さん、あなたが戦うんですよ、と私は言いたい。
敵がそこに現れたら、あなたが彼(彼女)を殺すんですよ。
彼女(彼)にはあなたと同じように両親やきょうだいがいるだろうし、
子どももいるかもしれない。しかしそんなことを気にしていたら、
自分の命が奪われかねない。あなたは相手より先に殺さなければいけない。
それを延々と繰り返すんです。
そういう行為を自衛隊員に求めていることを当然あなたは自覚していると思います。
仮想敵にとっても、戦うことは悪ではないはずです。
お互いに正しい戦争をはじめ、正しい殺人を執行するのです。
そういう決意を持ったあなたでも、迷わず敵を殺せますか。
その問をもう一度自分に突きつけてほしいと思います。