そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

そしてサウンドは残る<12/21/2009

クリスマスソングが流れるころ、
なぜか「帰って来たヨッパライ」を思い出す。
12月にヒットしたことやヨッパライのイメージが
忘年会帰りの人たちの姿に重なったのかもしれない。
料理が好きな青年は時代の波に乗り、
音楽を職業とすることで、
私たちに数多くの忘れられない歌曲やメロディーを届けてくれた。
前半、各章の頭に年代ごとの昭和の世相風俗がまとめられ、
加藤氏の生い立ちや音楽が語られる。
しかし本書で特筆すべきは、ワインや家庭料理、
また行きつけの料理屋についての部分だ。
聞き手の松木さんの得意分野でもあるのか、
話の引き出し方もうまい。
「自分が面白い人生を送っていれば、音楽も面白い」という哲学に、
加藤さんは忠実だったということなのだろうか。
きたやまおさむ松山猛両氏が寄せた文章には、
突然の別れに戸惑いながらも、
楽しみながら共に作品を作って来た仲間への変わらぬ思いがこもる。


 加藤和彦 ラスト・メッセージ   
 加藤和彦・松木直也著 
 文芸春秋刊 1619円

Then and Now : 熊本日日新聞の読書欄
「私の三ツ星」に投稿。不採用。
加藤さんについては、どれだけ書いても書ききれない。
ファンとは、そういうものだろう。
読者のひろばに投稿しようと思い、
何回か書きかけたけれど、うまくいかなかった。
上手に書こうという気持ちが、どうしても出てしまう。
そういうわけで、これもそんな感じは残る。
「クリスマス」で書き始めたので
時期外れには、掲載されにくいよな(苦笑
それでも、それが彼との出会いだから、
外せなかった。