「12月の雨の日」は、大瀧詠一さんの作曲なので、細野さんのことを書こうというのに適当ではないが、雨降りだったので。もう上がりそうだけど。
この本は、北中正和さんのインタビューをもとに構成されたもので、今回平凡社ライブラリーに収められた。定価1400円は高い。高いけど、それだけの価値はある。といってもそれは細野さんに興味を抱く人にとってのことだけれど。
いちばん驚いたのは、ドラッグにのめり込んでいた時期があったということ。「おっちゃんのリズム」という一拍子のリズムの話。いまや、目新しい概念ではないが、ここに新しい日本のポップスが始まったと言えるかもしれない。
小原礼が抜けたあと、サディスティック・ミカ・バンドのベースをやったこと(私の誕生日に行われたライブだったことは覚えている)は一部では有名。細野さん、どこかのインタビューで、本気で加入を考えて、『泰安洋行』の「蝶々san」は、初代ミカをイメージして書いたと語っていた記憶がある。
宗教的なものへのアプローチが随所に見られるのは、1991年という時代がそうさせたのだろうか。
現在の細野さんはここいらにいらっしゃいます。
細野 晴臣, 北中 正和 / 平凡社