養老孟司先生が中央公論に「鎌倉傘張り日記」というエッセイを連載している。
3月号では「データ主義」というタイトルで、
例えば、こういうことを書いている。
「データの読み込みというのは、それ自体がじつはむずかしい。
だからそこにインチキが付け入る余地が必ずある」
「データは考えていることを確認する材料に過ぎないのであって、
じつは考えのほうが優先するのである」
どこかで誰かが、養老先生の文章の論理立てが
データに基づかない、感想文に過ぎないと書いていたのを
読んだ記憶がある。最近のことだ。
たぶん、それへの反論だろう。
私も養老先生の屁理屈に親近感を持つもので(読めばわかるか)、
氏への批判に不安になっていたのだったのだが、
この文章を読んで、それでいいのだ、とまあ思った次第です。
昨日は、左側の肩こりがあまりにひどいので、
午後、西合志図書館で、雑誌など読んでいたのだが、
男子小学生が、現代農業という雑誌のバックナンバーを
夢中でめくっているのに遭遇。
土作りがどうの、畝の起こし方、プラウがなんたら、と
耕作機械が好きなのかとも思ったが、どうも興味はもっと深いようで、
「これだー」とか言いながら、
図書館の通いバッグ(市内の小学生に無料配布されている)に
何冊か突っ込んで、借りる様子。
思わず、「何年生?」と聞いたら、
「5年生です」と答える。
そういうつもりではなかったが、「変わってるね」と言うと、
「みんなにそういわれます」だと。
「頼もしいね」と感想を述べると、照れくさかったのか、
あっちに行ってしまったが、なんかいいやつに出会ったよ。
友だちになりたいぐらい、であった。