そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

平成24年度ハンセン病問題啓発事業講演会

講師は、金正美(キムチョンミ)さん。
エッセイスト、字幕ディレクターとある。

栗生楽泉園の入所者で詩人の桜井哲夫さんと
女子大生のとき出会うことで、
杖になり目になり声になることを選んだ女性。

彼女は在日コリアン3世だ。
日本国籍をやっと10年前に取得した。
自分が在日であることを特に意識せずに過ごした10代。
ハンセン病の強制隔離を経験した桜井さんが
初めて彼女に国家、国籍を意識させてくれた。

療養所を訪れることは苦ではなかった。
だから続けられたのだが、
重たいものも感じていた。
それは自分の弱さや醜いところ、
嫌なところを見ることでもあったと彼女は言う。

彼女は正直な人だと思う。
ハンセン病問題の啓発に、そういう個人的な思いが
果たして必要なのかと考える人もいるかもしれない。
しかし、彼女は私であり、私は彼女でもある。
人という一つのくくりが許されるなら、そういうことだ。

彼女はまた言う。世の中はなかなか変わらない。
しかし、一人が考えて行動することでも、
それを継続することが力であると。
そして他人と徹底的に向き合うとは
自分と向き合うこと。
それは少なくとも楽しいことではないかもしれない。
常に自分を見つめる訓練が必要である。
その上で、その人(彼女の場合は桜井さんか)に
近づけるか、寄り添えるか
想像力が必要になる。

自分一人でも、
おかしいと思うときは声を上げる勇気を
私はもらいました。

※昨年のハンセン病問題啓発講演会についての記事→リンク