そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

愛はここに~城内プール閉鎖 5/23/2001・k184

 城内プールが閉鎖されることは、2~3年前から検討されていたのかもしれない。しかし、実際になくなるということを知らされると、街の魅力がひとつ消えるなと、しみじみ思った。

 熊本城との対比でいけば、ちょっとミスマッチの観もあるが、あたりの木立のしたたるような緑と、プールの水しぶきが、熊本特有の蒸し暑さを癒してくれていたことは間違いない。プールは、体育系の側面で捉えられがちだが、実は文化的施設の部分も大きかったと思う。機能性だけの都市は無味乾燥で、文字通り潤いがない。そういう街で、豊かな文化が育つはずがない。

 とはいえ、失われゆくものに思い出と共に愛惜の情が芽生えたとしても、すぐに慣れて忘れ去られるだろう。都市の再生とはそういうもので、残念だが、それが文化というものでもある。わが国においては。

Then and Now : これ、熊本日日新聞「私にも言わせて」に送ったものだったと思う。不採用。ニューヨークのセントラルパークにある(行ったことはないが)アイススケート場のことを念頭に置いて書いた。少々古いが、『ある愛の詩』を始め、多くの映画に使われていることからもわかるように、フィルム・コミッション運動には、他の土地にはないような、かような文化施設がぜひとも必要なのである。